時代に逆行するアナログの美学

キャッシュレス決済ネット全盛のこの時代、

敢えてアナログである意味を、最近よく考えています。

生活を便利にする為に効率化をし、快適な世の中になったにもかかわらず、

以前の生活や現状維持を望む人も一定数います。

 

そして僕自身にも、そんな部分がある事に最近気づきました。

あれ、俺はちょっと前までは、もっと便利に効率化していけばいいのにと、

確かに思っていたはずなのに。。。

 

時代はデジタル媒体が正解かもしれませんが、

アナログの温度はやはり心地よく感じます。

painted by Ryusuke Endo

人が手書きで送る手紙には温度がある

先日、嫁が車の点検をした数日後、お礼の手紙が届きました。

全てが手書きだったわけではありませんが、

住所や氏名ちょっとしたメッセージなどわざわざ手で。

 

そしてその筆跡は、お世辞にも上手とは言い難い文字でした。

 

僕の直筆が自分で上手な自信などありません。

ただ、他人の手書きの(失礼ながらちょっとイビツ)文字を見た時、

何だか少し可愛くて笑ってしまいました。

 

手書きの手紙とは、文字が上手か下手などは、あまり関係ありません。

 

確かにきれいな文字が無難である事は間違いないです。

でも人間って、機械じゃないんですよね。

ワードのように真っすぐてはなく、やや曲がっていたり、

凸凹しているからこそ、人間が書いた特徴が表れます。

 

でもね、丁寧にまっすぐ描くように、力を払っていることがすぐにわかりました。

この人はこんな文字を書くんすね、という事が、はがきから一目瞭然で。

 

そこには文字がどうのとかいう思いはありません。

書いた人独特の文字の癖が目に入るだけで、その人の温度が伝わってきます。

だからこそ、お手紙をいただくだけで、とても気分が明るくなりますよね。

 

たったこれだけの事なのに、僕は最近、

人間の手でイチイチ行う事を、とても意識しています。

ハンドメイドはアナログ的だけど温度がある

手書きの手紙で受け取る事は、何も今始まったわけではありません。

静岡で一人暮らしをしていた時も、何度かありましたが、

以前は全く気にも留めませんでした。

僕はマフィンやビスケット、クッキーなどが大好きで、

ここ1年程は、ハンドメイドにこだわって購入しています。

 

以前はハンドメイドって、無駄に高いと感じていました。

「うーわ、クッキー6枚で350円かよ。」

「デパートの方が綺麗でオシャレ!」

圧倒的に、世の中はそうなんだと思います。

 

クッキー5,6枚で350円じゃコスパ悪いし、

デパートの方がちょっと高くても、味は確実だし洗練されているしね。

何よりやっぱり見栄えがいい。

 

以前は焼菓子などはデパートでなくても、誰もが知る有名なお店で買うことが多かったのですが、

ここ1年半程は、店主の顔が見えるお店で購入しています。

 

また、ちょっとした雑貨や、文具類なども、

人の手が加わった商品に自然と手が伸びます。

 

それらはどこか整然としていなく、多少いびつであるけれど、

そのイビツさが何より当たり前の自然に思えて気に入っています。

それらがハンドメイドならではの価値なんですよね。

 

ただ紙にフエルト張っただけじゃん!

って文具もありますが、思わず可愛くて買ってしまいました。

 

特に器などは、量販店の低価格商品の方がおしゃれっすよね。

手で焼かれた器って、戸棚に入りにくし、重ねにくい。

しかもグラグラすることも。。。。

 

でも人間が手作業で焼いた器には、その温度があります。

 

製品の縁が多少欠けていても、いびつな形でやや左右非対称であっても、

大量生産された整然と陳列された製品からは放たれない、独特の温度があります。

 

だから手がかかっても、ちょっと価格が高くても、

アナログ商品って、人間らしくて好きです。

イチイチ現金払いにだって温度がある

あれだけ電子マネーが不便でストレスダ!だとは言うものの、

滋賀県に来て以来、個人の小さな商店でも、買い物をすることが多くなりました。

便利なモールで買えばいいのにね。

当然電子マネーは使えません。面倒っすよね。ほんとに。

 

しかし、現金を財布から取り出し、お金をイチイチ渡して、面倒なお釣りをもらう事に、

なぜかありがたみを感じるようになりました。

それらの共通点は、言うまでもなく、「わざわざ」といった、

温度差が関係しています。

 

昨年からテレビのCMで、「現金払いのみだから他の店に行く」

といったCMが放送されていました。

 

確かに海外旅行者にとっては、小銭って非常に厄介ですよね。

余ると換金できなし、レジで財布から出すの面倒だし。

 

ただそれだけで、お店を選ぶ基準を作ってしまっていいとも思えません。

イチイチ財布から現金取り出して、イチイチレジ待って、

イライラしながらおつり受け取るのだって、生身の人間対人間のコミュニケーションです。

 

冷たいICカードにはない、温度があります。

便利さは大切だけれども、置き忘れたものがないか?

今年の冬あたりから、いわゆるクラウド会計をいじっていました。

自分の通帳を例に連動させてみたり、現金出納簿を効率よくインポートして自動仕分けを作成したり。

やはり便利さと言うとこの上ないものです。

触っていても、あまりアレルギーもなく。

実際、僕の普段の支出関係も、全て連動させています。

(事業主ばかりですが。。。。。)

しかし同時に、よくわからなくなることがあります。

12年前、この業界に最初に入った時に、当時の勤務先の社長から言われた事は、

「会計仕訳1つには、その担当者の思いがありストーリーがある。それをしっかり理解しなさい。」

 

25歳だった簿記が大っ嫌いだった僕は、

「え?何言ってんの?バッカじゃないの?」

と思ったものですが、今はその意味が深く理解できます。

もう12年も前の、一昔前の指導ですが、それが時代遅れなのかどうか、未だにわかりません。

「会計仕訳は自動化し、もっと他のことに声を出すべきだ」と僕もずっと考えていましたが。

 

しかし、今になり、いろいろなことがよくわからなくなる時があります。

何か置き忘れてしまっていたものはないのか?

 

古民家を改装したカフェがオシャレだと言われ、

年代物の建物を改装したゲストハウスがオシャレだと言われ、

廃れた時代遅れの街並みがレトロだと観光地化され、

古いソファや机がオーセンティックと言われたり、

CDやスマホ音源よりも、レコードの方がいい音がすると言われたり。

 

古く不便だったからこそ、便利さを追求し廃れていったものが、

時を経て見直されます。

昔の素晴らしい知恵と評価されたりも。

 

従前の会計業界の常識であったことも、いつかレトロだと言われる時が来るのでしょう。

まとめ

要はアナログと電子媒体との付き合い方のバランスの問題なんですが、

大人がそれに慣れていないといけないんですよね。

どちらかに偏ってはダメなんです。きっと。

 

ただ、日常の生活においては、温度が感じられる方が断然いいです。

多少不便であっても、日常生活くらいにおいては、

温度がある方を選ぶようにしていきたいものです。

 

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