気軽に税理士に相談できないのは税理士のせい

「いやいや、気軽に税理士に相談なんかにできないでしょ。」

開業してから、対面式、オンラインの相談を受けていて、

しばしば相手から発せられるフレーズです。

 

そして、僕がこの仕事をしていて、最も耳にしたくないフレーズ。

とりわけごくごく小規模の事業や、会社員の方から寄せられた声です。

 

最後の試験科目の法人税を受験した7年前、

そんな人の役に立たない職業は、さっさと止めてしまおうと思っていたものです。

 

税理士に気軽に相談できないという悩みは笑いごとではなく、

変えていかなくてはいけない、大きな歪みのはずです。

 

 

気軽に税理士に相談できない

勤務した2先の会計事務所では、100%個人事業や法人の方がお客さんでした。

世の中がよく分からなかった僕は、税理士の仕事は事業者相手だと勝手に考えていました。

 

サラリーマンや商売をやっていない人は、税理士と関わることはないのだろう、

そういうものだろうとばかり考えていましたが。。

 

副業を行っていた複数人の友達からは、税金についてよくわからないけど、

税理士に相談できない。。税金の相談窓口がない。

いきなり税務署へ行くなんて、ちょっとそれは。。。

 

事業者の方も、未だに税理士さんに気軽に相談できない方も少なくありません。

一般企業に勤務するサラリーマンであれば、

尚更気軽に相談なんてできないのかもしれません。

 

今まで相談を受けた方から会話の途中、

歯医者や美容院に行くように、気軽に税理士を利用できないと聞きます。

 

確かに会社員の時から、税理士事務所は気軽に相談できる空間ではありません。

 

いきなり電話をかけてる人に対しては、

異常なくらい冷笑的な業界だと僕は認識しています。

 

それは外ならぬ、この仕事に従事している僕を含めた税理士のせいだと思います。

 

租税教育は子供より大人が必要

先日は同級生から、子供が租税教育を受けた話を聞きました。

子供に配られた租税のテキスト本の中に、大人向けの資料があったようです。

 

そして僕より若干イケメンの同級生は、

「自分の税金がどうやって計算されているのか、全く知らなかったと。(38歳なのに)」

 

ええ、きっとそんなものですよ。

僕だって銀行マンだった時、源泉徴収票の見方さえも知りませんでした。

 

既に廃止された定率減税という制度も知らず、年末に沢山お金が戻ってきて、

年末調整とは賞与のようなものと、勝手に錯覚をしていました。

 

でも子供が学校で税金の教室を受けていくると、

自分が支払う税金の計算方法を知らない事に、悶々とするんですって。

 

何かが矛盾しているような、おかしなことなんだって。

そういうの、良くないなって思うんですって。

 

誰でもゆったり税理士を利用できたらいいのに

来週は税理士試験の合格発表日。

きっと僕より優秀な方々が、日本の税理士業界を形成していくのでしょう。

 

クラウド会計推しという状況は、一般の方にも浸透しており、

今後はよりクラウド会計の利用が当たり前になるのかもしれません。

(ただし、残高をとる概念がないクラウド会計難民もまた多数)

 

自分で気軽に経理ができる一方で、気軽に相談したいと思う人も一定数いるようです。

事業者でなくても、副業や会社員の方であっても、

本当に税理士に相談したい、けれども、気軽に相談できないと思う方も。

 

病院や歯医者、床屋やスーパー、本屋に行くような感覚で、

もっと税理士を気軽に利用できる環境にすべきなのだと思います。

 

税金について知りたい、相談したいのは、

事業者だけではなく、会社員でも同様です。

 

せっかく「税理士の魅力を!税理士の仕事に興味をもってもらう!」

と、スローモーションするのであれば、

もっと気軽に誰もが税理士を利用できる環境や雰囲気になればいいと願います。

 

まとめ

いきなり電話をかけると、お断りする税理士事務所もあるようです。

 

気持ちはわからないでもありませんが、

その感覚もまた、立場や目線を変えたら、非常識、税理士目線と映るのかもしれません。

 

個人的には、いきなり電話をかける事はごくごく普通の行動であり、

それを拒むのであれば、電話やスマホを一切保持しなければいいと思います。

 

相談したいけど、相談できないと悩む人が、1人でも少なくなればいいと願います。

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