変わる静岡丸井のコンセプト。価値観は「所有」から「シェア」に。人の価値観が変わればデパートの役割も変化してく。

4月に入り来週のアパート引き払いまで、静岡の丸井8階にあるエニシア

コアワーキングスペースで、自分のホームページを作ってました。

 

街中には他にも3件ほどコアワーキングがありますが、

丸井のエニシアはドロップインが終日500円と割安。

チャリでだいたい45分時間かけて清水から静岡へ。

なかなかの有酸素運動で、青空が広がる日はとてもいいサイクリング。

 

居心地が非常によく、とても気に入っていました。

セミナーや打ち合わせをする人も多く、フリーで仕事をしている人も多数。

いろんな人がいるんだなーと実感しました。

 

さて丸井というと、僕の中学高校時代は華やかで憧れのデパートのイメージが。

オシャレな洋服といったら丸井でした。

しかし数年前に久しぶりに丸井に訪れた際、店舗があまりなく何だか店内はスカスカ。

寂しい建物となっており、とうとう撤退かな?と感じました。

 

華やかでオシャレに賑わった丸井はどこにいったんでしょう?

 

静岡の丸井の歴史

静岡の丸井の歴史はとても古いです。

僕が生まれた時から既にあり、ザ・オシャレなヤングのお店だった為、

子供の時は近づきがたい場所だったと記憶しています。

 

高校生になり色気づいてくると、静岡の中心部のA館、B館が憧れでした。

(本当は清水駅にもありましたが、2000年頃に撤退しました。)

 

A館はバリバリのオシャレブランドでやや高め。

どちらかというと、大学生以上の大人を対象にしていたようです。

一方でB館はやや価格は安めのブランドが。(といっても高校生には高いですがね。。。)

リッチでオシャレな高校生はB館に、華やかな大学デビューした学生はA館に。

 

A館の男性ブランドはとってもハイプライス。

僕の大学時代は圧倒的に細身の服装が流行していました。

アルバイトしてお金貯めて、トルネードマートやハイストリートの店舗に行き、

ベルボトムパンツやらローライズパンツやら、タンクトップやらシャツを買いました。

 

年を重ねると人の価値観は変化し、重きをなしたいと思うものも徐々に変化しますが、

若い頃という時代は、とにかく他人によく見られたい!と思うものです。

まず目に入ってくる、人がまとう服装や身なりなどの武装は分かり易いため、

オシャレを楽しんだ人も多かったと感じます。

 

正月や夏のバーゲンの日なんて並ぶ並ぶ、非常に賑わいがありました。

そんな華やかなイメージの丸井でしたが、僕が知っている丸井とは随分と変わってしまいました。

洋服の購買力や購買意欲がない時代に

 

写真は現在の静岡丸井の誘致テナントの状態です。

 

 

アパレルブランドの店舗が実に少ないですよね?

飲食店の方が多いくらいです。

実際に店舗へ行くと、洋服のお店がビックリするくらい少ないです。

 

アパレル店舗が減少する要因としてまず考えられることは、洋服自体の購買力や購買意識の減少です。

僕自身も学生時代には、実際に店舗へ行って洋服を購入することが殆どでした。

いや、それしか手段がなかったんですよね。あの頃は。

 

当時の静岡丸井では、ユナイテッドアローズ系やBEAMS、ジャーナルスタンダード、ナノユニバースなど

若者に人気があるブランドの扱いがなく、店舗もありせんでした。

まあ地方とはそういうものですね。

 

ユナイテッドアローズ!

BEAMS!

というと、わざわざ静岡から東京の渋谷や新宿へ行ったものです。

(今考えると、名古屋でも横浜でもよかったんですがね。。。)

 

しかし時は流れて、2003年大学3年頃になると、インターネットショッピングが急激に発達しました。

それまでイチイチ都会まで出かけていたものの、クリック1つで様々なブランドが手にできることに!

そして種類も非常に多く、在庫切れもなし。

ネットショッピングは、非常に革命的な出来事でした。

 

そして時は流れて、ユニクロ、H&H、FOREVERなどのファストファッションが流行します。

ハイブランドを買うよりも、より実用的な服の方が実際いいですしね。

さらに今現在は服などの消耗品にはお金をかけず、所有よりもレンタルの時代に。

 

そりゃ、アパレル店舗も少なくなって当然です。

 

人の価値観は所有からシェアへ

洋服を手に入れることが容易になったのは、紛れもありませんよね。

店舗だと在庫切れがありますし、せっかくお店に行っても気に入ったのがなかったり。

さらにわざわざ店員と話さなくてはならないし。

 

毎回店員との会話が苦手な僕は、かなりビクビクしていました。

今となっては実際に店舗へ行き、店員と会話をしながらショッピングをすることが、

どれだけ意義があることなのかがわかりますがね。

 

しかしそれ以上に変わったことは、おそらく人の価値観です。

今現在は、消耗品は所有よりもシェアの時代といわれています。

 

洋服、カーシェアリング、シェアオフィスなどがそれに当たります。

コアワーキングスペースでブログを書いている今でさえ、正にシェアを活用しています。

 

実際に使用してみると、実に経済的で結構使い勝手がいいのですよね。

しかし反対の声も多く聞かれます。

そんなんでは日本の経済が衰退する!

若者が物を欲しがらない!もっと購買意欲を高めよ!

欲しいものがあるからこそ、仕事は頑張れるものだよ!

そんな意見もありますが、僕は物は「所有」よりも「シェア」の考えには賛成です。

レンタル彼女やレンタル彼氏、レンタル家族なんてのもありますし。

しかし、それは時や使用の経過によって価値が減少し摩耗していく「消耗品」に限ってです。

何にお金を使うのか?

では一体何にお金を使うのか?

と問われると、姿形がなくなる物質的な物ではなく、

「自分が実際に体験して記憶に残り、肌で感じることができ、自分の血や肉となること」です。

 

 

なにも現代若者が全く物を購入しないわけではありません。

購買意欲の対象となる事は、物質的な「消耗品」だけではなく、

「目に見えないサービス」「体験や経験ができたり記憶に残ること」でもあります。

 

人によって価値観は様々であり、

「高額なバックや時計、車が欲しい」

「贅沢な海外旅行をしたい」

「大きな立派な家に住みたい」

そういった人だって沢山います。

 

しかし、確実に人の価値観が「所有」から「シェア」に移転しており、

お金を使う対象となる媒体自体が変化しています。

 

まあ、CDやビデオ、DVDのレンタルだって早い話シェアですからね。

シェアの対象物が広がっただけに過ぎないのかもしれません。

 

そして若者の購買意欲の塊だった丸井のコンセプトも変化していきます。

変わる丸井のコンセプト

他の都道府県の丸井はわかりませんが、静岡の丸井は飲食店が多くなりました。

そして、キッズスペースやワーキングスペース、フィットネス、サロン、100均などの店舗も。

何だかちょっとゆるいイメージに変わりました。

 

以前の丸井は、ガッチリアパレルのイメージだったんですが。。。

 

しかし若い人だけでなく、様々な年代や様々な職業をされている人の出入りが増えたような気もします。

洋服だけに留まらず、いろんな年代の人が集まる場所に変化しているんだと思います。

 

華やかなアパレルブランドで賑わった丸井を知っている世代からすると、

それは少し寂しく感じるかもしれません。

しかし、時代の流れに合わせて店舗の作りを変化させているのであれば、

それは当然のことなのかもしれません。

 

流行り廃れを繰り返し消耗するものをバンバン販売する場から、

多くの年代の人が集まり交流できる場が、今の時代には求められているのかもしれません。

まとめ

僕自身は25歳を越えたあたりから、あまり洋服を買わなくなりました。

それでもワンシーズン上下1着ずつは購入していましたが、

実店舗ではなくネット通販でした。

多少の肌触りや質感の相違、微妙なサイズ相違もありましたが。。。

 

しかし、今でも実際の店舗に行かないと買わないものもあります。

人によるでしょうが、僕の場合は「焼菓子」「アロマ」です。

 

無添加で保存料なしの「焼菓子」は、当然保存がききません。

ですが実際の店舗へ行き、今日並んでいる商品の芳香に心が躍ります。

店主の気まぐれで作るその日にしかない商品は、2度と手に入らないことも。。。

 

「アロマ」は自分が想定している匂いと異なることが多いです。

自分に心境や置かれている状況によって、安らぐ香りは常に異なります。

こればかりは、ネット通販では判定できません。

 

ネット通販の方が便利ですが、今36歳になって、

実店舗で店主や店員と会話をする日常もいいものだと、今更感じる自分がいます。

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