年収850万もないから自分には関係ないではなく、当事者として考えてみよう。
最近ネットのニュースで、年収850万円超のサラリーマンの増税の悲鳴を目にしました。
改正内容自体は平成30年の税制改正ですが、適用が2年後の来年1月に迫り、
確実な増税に頭を痛める方も多いと思います。
給与所得控除10万縮減って、大きっすよね。
僕はずっと最低税率でしたが、市民税合わせて15,000円増税されたらムカつきます。
当事者の人にとってみれば、本当に心苦しいものです。
なんで850万!?っていう嘆きはもっともです。
しかし、一方でこんな声も聞こえます。
「自分には関係ないや。」
「そんだけ貰っているならいいでしょ。」
会社員だった時、僕も同様に考えていたのかもしれません。
僕の年収の2倍以上の数字なので、全く想像できなかったからです。
理想論を振りかざすつもりはありませんが、本当に「豊かな社会」を望むのであれば、
「自分には関係ない。」という感覚は、確実に省みなくてはいけないんですよね。
painted by Ryusuke Endo
消費税アップは誰もが騒ぐのに
消費税アップは誰でも嫌がると思います。
ええ、僕も嫌です。
軽減税率がどうのとか、区分経理がさあ!とか税金ライクに興味はありませんが、
モノの値段が上がるのは家計に直結しますからね。
ジョイだったり、ナノックスだったり、レノアだったり、キッチンペーパーも、
毎日使うものって、とてつもない金額になります。
ええ、日用品だって軽減税率してください。
個人事業主であれ、会社員であれ、会社の役員さん社長さんであれ、
誰もが一般消費者である以上、消費税の支払いをします。
だから消費税10%実施されるかどうかには、大きな興味があると思います。
しかし、「年収850万もないからうちには関係ないや!」
と自分にふりかからない事を、切り捨ててしまう感覚は、
そろそろ捨てなければいけないのでしょう。
寡婦(夫)控除のように、関係がない人は全く恩恵を受けない制度だったり、
未だに整備されていないLGBTに対する税制だったり。
自分に関係ないからどうでもいいのでは、
いつまでたっても豊かで暮らしやすい税制は実現できません。
そして本当に必要としている人に、税制の恩恵が届きやません。
自分だったら増税にどう対処する?
もし自分がサラリーマンで年収850万以上であったら、
どのように節税をするだろうか?
僕はたまたま税務に関係する職業を選び、たまたま税理士になっただけです。
しかし、運よく今回の増税に伴う内容の中身は理解が出来ます。
でも普段税務に携わらなかったら、どう対処すればいいのかもわかりません。
どれだけ自分の負担が増えるのも、きっとわからないのでしょう。
例え給与所得者が年末調整で確定申告が完了しても、
本来は申告納税制度なのだから、みんなが理解できなければいけないんですよね。
さて、給与の年収が850万の場合、10万円課税所得が増える計算になります。
この10万円、どうやってなかったことにしよう?
給与と相殺する為に、事業を行うことは現実的はないし、扶養控除も突然増えるわけではない。
誰かと取りあえず婚姻届け出してみる?
無理やり事業規模で副業してみる?
保険料控除は要らない保険に加入するものバカバカしいし、わざわざ病気になるわけにも。。。
ロキソニンやバンテリンを大量購入してセルフメディケーション受けるのもねえ。。。
養子をとるのも現実的ではないし。
というと、サラリーマン手っ取り早く節税するには、
確定拠出型年金のみかな?と感じてしまいます。
この10万円の増税は、真面目に働いている人にとっては、
回避しようがない部分がありますよね。
10万円分の確定拠出型年金に加入といっても、実際に現金が出ていくわけだから。
850万円あるんだから、高給取だからいいじゃない!
と思っても、大体高給の方は、かなり遅くまで働いています。
残業も多くて、平日はプライベートは殆どなくて。。。
バカバカしいと感じる気持ちもわかります。
「働き方改革」といっても、大企業、中小企業問わず、
突然変わることが出来ない会社も多く存在します。
自分がその立場だったらどうするか?
何も思うのか?
どうしてもらいたいと感じのか?
誰もが考えていかないと、平等で豊かな税制の実現なんて、
到底難しいのかもしれません。
まとめ
当事者意識って難しいですよね。
自分には関係ないから!っていう感覚もよくわかります。
実際僕もそうでしたから。
ただ、そんな時はちょっと立ち止まって、考えてみましょう。
当事者の方は、どんな思いをしているのか?
誰もが考えていけば、何かが変わっていくはずです。
「いやいや、お前当事者じゃねーじゃん!ヒモのくせに!」
って思いますよね。
僕の嫁は増税対象者なんで、ヒモ生活の僕は即座に影響します。
まあ、一応これでも税理士なんで、10万円の所得控除をどう発生させてやろうか、
オレの腕の見せ所ですよ。
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