代名詞としての「先生」よりも、相手の名前を口に出そう。
会計事務所に就職してから、ずっと違和感があった言葉が「先生」。
ええ、11年も会計業界にいたので、周囲が用いる「先生」という言葉の意味については、
実は何の意味もない事を、とうの昔にわかっていました。
良くも悪くも、僕は「先生」と呼ばれる事は殆どありません。
しかし、先日、同じ草津支部の税理士さんに誘われて、
社会通念上、一般的に会議費にも交際費にもなりゃしない食事をした際に、
僕自身が、「先生、先生」と発していました。
2人で食事をしていて、先生、先生言うのは、
後々振り返ってみて、やっぱり違和感がある光景だったのかもしれません。
先生という単語には意味はない
会計事務所では、顧問先からしばしば、
「先生いらっしゃいますか?」
税務署から、
「先生いらっしゃいますか?」
なーんて電話をよく受けました。
職員の方々も、所長の事を、「先生、先生」呼ぶので、僕もあらそうなのね、と思い、
「先生、先生」と発していました。
ちなみに医師や教職員の間でも、〇〇先生と呼ぶらしいです。
だから、先生って言葉は、別に敬意の意味合いなどはないのでしょう。
会社でいう「先輩」、「社長」、「部長」、「課長」、「支店長」、「次長」などといった、役職そのものなんですよね。
悪く言えば、何ら気持ちがこもっていない、無機質な代名詞です。
相手を呼ぶ際に、わざわざ名前で呼ぶ必要もなく、
「先生」といった不特定多数を指す単語で相手を特定できるのって、非常に便利です。
僕もその便利さに釣られて、先生、先生と乱用していました。
そしてまたしても、不甲斐ない自分に反省をしています。
相手を敬意を示したり、感謝の気持ちを示したり、仲良くなりたいのであれば、
先生という気持ちがない代名詞よりも、相手の名前を呼ぶ方が断然伝わるでしょう。
目上の人間には役職名を使う事が常識
僕は社会人1年目、銀行に入社したての時、役職ある女性に対して、
「〇〇さん」と、名前で呼んでしまったことがありました。
後に指導係から、失礼に当たるから、役職で呼ぶようにと注意されました。
まだ社会を知らなかった22歳の僕は、
「名前で呼ばれた方が、うれしいけどなあ~。」
などど、フワフワした発言をして叱られました。
そして月日が経過して、日本の社会では、役職ある相手に対しては、
役職名で呼ぶ事が常識である事が身に付きました。
仕事を終えて居酒屋で、ダラダラと男同士のやばい会話をしていても、
「次長!課長!部長!」などと役職名を使うのでしょう。
ええ、いきなりそこで、ビール片手に「〇〇さん」
なんて言ったら、お仕置きくらうのでしょう。
日本の会社員には、日本の会社員のルールがあり、
業界団体には、業界団体特有のルールがあり、ルールは規則や統制の意味合いもありますが、
利便性が高い一面もあり、わざわざそれに反する必要性も感じません。
また、もしその役職名や先生という言葉を、敬語と捉えている方の場合、
もし僕が目上の税理士さんに対し、
「ちょっと〇〇さん。」とか、「あのさあ、〇〇ちん」
などと言ったら、ムカッとされること間違いありません。
だから先生という言葉に大して意味などなく、単なる代名詞的な役割であり、
それで均衡が保たれるのであれば、わざわざそれに反する必要はありません。
それでも僕は、自分が例え税理士を止めても、長く知り合いでいたいと思う相手に対しては、
相手の氏名を口にして、話をしようと思います。
相手を呼ぶときは、〇〇さんで!
給与所得控除縮減対象の嫁の経験は、さすが大企業。
海外では、上司や部下に関わらず、相手を呼ぶときには名前で呼ぶそうです。
おお、名前で呼ぶなんて素敵だなあと感心しましたが、冷静に考えれば当たり前かもしれません。
幼稚園から大学まで、知らず知らず教員に対しては、「先生」と使っています。
しかし、同級生や友人については、名前で呼んでいたいはずです。
いつしか「先輩」という言葉を使い、社会に出てからは、
あれ、これ、どれ、それといった、代名詞で呼ぶことも増えました。
その意味がないからこその便利さに精通してしまい、先生!と使ってしまいがちですが、
相手を重んじるのであれば、やはり相手の氏名+さんで呼ぶ方が、遥かに美しく感じます。
安易に便利で意味がない言葉を多用するくらいなら、
至って自然な〇〇さんといった言葉を使っていこうと思います。
まとめ
冒頭にも書きましたが、僕は先生と呼ばれた事は殆どありません。
もしかしたら、それが一般的なのかもしれません。
または僕がチンケなだけかも。
いずれにしても、肩書や役職名といった代名詞ではなく、
相手の氏名で相手を呼ぶ事が、普通になればいいなと思います。
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