GW特集その5。Let’s question me ! よくあるゲイの税務相談の内容。

2022年4月にゲイである事をオープンにして以降、

LGBTの方から個別税務相談を受けることがあります。

 

まだまだノーマル男女を比較すると件数は少ないものの、

過激なジョークを交えつつ、個別税務相談を楽しんでおります。

 

この3年間でLGBTの方からいただいた相談内容は、

士業の方にとっては平凡な内容ばかりですが、

僕らにとっては重大なのです。

 

 

 養子縁組して相続時精算課税

男性同士で養子縁組をして相続時精算課税制度を使って財産を移転する。

という希望を持たれる方が一定数いるようです。

 

「えっ!精算課税!」

 

本に書いてあったり、専門家から薦められた方もいました。

近年は改正により利便性が高まり、事実は不明ですが、

LGBTに精算課税を進める専門家もいたようです。

 

ゲイに養子縁組して精算課税を推薦する専門家が本当にいるのだろうか。

にわかに信じられません。

 

当然ですが、僕はお薦めしません。

理由は言うまでもありませんよね。

 

 養子縁組

僕は養子縁組もお薦めしません。

 

養子縁組すると、相続税がお得ですよ。

という情報を聞きつける方がいるようです。

 

目の前の安価な税額軽減に捕らわれるな!

相続時精算課税と同様です。

僕らの人生は法令で左右されべからず。

 

養子縁組なんてしないで、ゲイとして相続しようぜ。

 

 所得税:パートナーに給与を支給して節税したい

僕らがフリーランス(税理士)+会社員のパートナーのように、

フリーランスと会社員の組み込みのカップルも一定数いるようです。

 

フリーランスは軌道に乗ってくると所得も高額になりがち。

支出も多くはありませんので、国保が多額になりがちです。

 

そこで、パートナーに給与を支給したいと願う方がいるようです。

僕らは民法上の配偶者ではありませんので、

事業専従者でも何でもありませんからね。

 

正当なる第3者ですから、青色事業専従者でも何でもありません。

給与の支給し放題だあ!

 

僕は会計事務所勤務時代、常に疑問だったのです。

僕ら職員よりも給与が高い税理士事務所の専従者給与が疑問だったのです。

 

だから、パートナーに給与を支給したい!と問われた際、

イイネ!ナイスアイデア!

と言いたくもなるのですが。。。

 

一体、何するの?という問題が発生するので、

大人としてよく考えて。として言いようがありません。

 

法人税:パートナーに給与を支給して節税したい

個人から法人成り後、また純粋に法人設立後、

パートナーを雇用し、給与の支給を考える方も割といるようです。

 

役員に就任しなければ、定期同額の必要もありません。

勤務実態、作業日報等を整え、被雇用者として事業に従事する実態があれば、

特段、文句のつけようはありません。

 

僕はお薦めはしませんが、式的基準や給与・賞与規定に注意すれば、

未払期末賞与も規定内なのかもしれません。

 

僕らは赤の他人ですからね。

民法上の特殊関係者にも該当しません。

 

だからパートナーの給与を沢山支給したいんだ!と問われたら、

グッジョブ!と言いたくもなりますが。。。。

 

法人税法上のみなし役員を理解してもらうようにしています。

 

 パートナーに財産を遺したいが親族に知られたくない

一定の年齢以上の方は、自身がLGBTである事を、

親族、家族、職場などの世間に知られたくない方もいらっしゃいます。

 

今となってはゲイ丸出しの僕ですら、学生時代や若い頃は同様だった為、

その気持ちは他の誰よりも大いに理解できます。

 

もういいじゃん。時代は変化したよ。という方もいますが、

そういう事ではないのですよね。

 

「実はオカマでえ~す。」と告白したのなら、

少なからず周囲に波風が立つのです。

その波風を恐れるのですよね。

 

理屈抜きで当然ですし、その気持ちは深くわかります。

 

だから「カミングアウトしやすい社会を!」なんて有難迷惑にも程があります。

 

しかし、はみなしごでもない限り、

財産の移転はバレすと伝えています。

 

それは紛れもなく、あなたがゲイとして生きた証拠だからです。

 

 パートナーに財産を遺したい

これまで相談を受けたLGBTの方に質問したことがあります。

 

全部包括遺贈による公正証書を作成していますか?

パートナーを受取人とした生命保険契約を締結していますか?

 

いずれもその回答は、100%ノーでした。

この国の学校教育は一体どうなっているのでしょうか?

 

パートナーに財産を遺すのなら、公正証書しかありません。

相談する専門家は、税理士でも弁護士でも行政書士でもありません。

 

ザ・公証人役場へ電話(無料!)です!

 

僕は2022年に相方と公正証書を結びました。

公証人役場の方は親切丁寧迅速でわかりやすい。

 

ええ、彼らは企業の愛人関係のなんたらなど、

ドロドロした仕事もするので、

男同士の公正証書など朝飯前です。

 

パートナーに財産を遺すのなら、ザ・公証人役場へゴーです。

 

 2割加算、税額軽減なしに納得いかない

兄弟等の法定相続人が1人、

遺産が自宅、土地、多額の現預金、生保を保有する方は、

将来、相続税が算出される可能性があります。

 

パートナーに財産を全て遺贈した場合、

当然に2割加算の対象になります。

また、配偶者に対する相続税額の軽減もありません。

 

納得がいかないようですが、仕方ないでしょうね。

 

僕も2割加算と軽減なしは、どうにかするべきだと思います。

根本の民法が変化しない限り、改正はないのでしょうが。

(いえ、それは改正ではないでしょうね。)

 

令和7年の税制改正では、扶養控除の改正がありました。

そして、改正されたら改正されたで、文句をいう人もいるのですね。

 

わかりずらい!複雑だ!

文句たらたらの人間は、いつなんどき、どんなが改正なされても、

わかりにくい!複雑だ!と文句をいうのでしょうね。

 

ノーマル男女はいいじゃない。

多少複雑だろうが、わかりにくかろうが、

少なからず恩恵があるのだから、いいじゃない。

 

僕らは死ぬまでずっと一緒に暮らしても、

現行の日本の税制の恩恵はありません。

2割加算された挙句に軽減もないのでしょ。

 

そして、それを不可思議に感じる人は、当事者たちだけです。

 

 包括遺贈したら遺留分が怖い

遺留分について心配する方も一定数いるようです。

 

LGBTの方が公正証書遺言を作成する場合、

相続人不在の場合の備え、全部包括遺贈がマストです。

 

ただし、遺留分の問題は解決することができず、

ネット情報から遺留分で相続をもめることになる。

と心配される方も多いようです。

 

不慮の事故や病気の罹患を回避し、健康に生活をしている限り、

順当にいくと双方の両親が先に息絶えるはずです。

 

兄弟姉妹に遺留分はありませんよ。と告げるようにしています。

しかし、遺留分の問題の本質はそこではありません。

 

本当にパートナー大切に想うのなら、

お互いの両親に紹介して交流すべきです。

 

言葉を交わして意思疎通を交わすべきです。

大抵の場合、遺留分の問題は親族間の不和から生じます。

 

わざわざ波風を立てる入れ知恵をするアホもいます。

 

しかし、例え入れ知恵をされたとしても、

家庭の意思疎通が潤沢であれば、

故人の遺志を尊重することが人間としての尊厳です。

 

言いにくいから。穏やかでいたいから。と逃避するのではなく、

遺留分を本当に恐れるのなら、お互いの家族と意思疎通を図るべきです。

 

僕は両親に「男大好きでーす!」とカミングアウトしたら、

ドラマティックに失敗しました。。。。

一方で、パートナーの両親は、温かく僕を迎えてくれました。

 

だから恐れずに、パートナーを両親に紹介し、

遺留分の問題を跳ね除けることを可能にする意思疎通を図るべきです。

 

 まとめ

僕らが税法上の恩恵を受ける為には、

根本となる民法が改正されないとあり得ないのでしょうね。

 

だからずっとずっと先の事でしょう。

僕らが婚姻できるようになってしまうと、確実に困る方もいるのでしょう。

 

だから今を楽しく生活するが正解です。

僕らは最低限、生命保険契約ち公正証書遺言を交わすだけです。

(税理士が困るのでオシャレな外貨建変額生命保険契約はお薦めしません。)

 

小賢しい小手先の技術を乱用せず、

死んだら自然な財産の移転をするがベストです。

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