税理士試験受験者減少による問題点は何か?明るい業界であってほしい。
国税庁の発表によると、税理士試験の受験申込者減少が止まらないようです。
今年も前年割れの様子。
昨年税理士登録するまで、僕自身、
受験者減少に関しては、全く無頓着でした。
僕が最後に受験した24年と比較すると、
減少幅がすごいですね。
自分はそういった業界にいるのかと思うと不安に感じます。
減少が進む事に関して問題視する声が多く聞かれます。
僕自身は、あまり魅力がない職業だという点が要因に感じていますが、
実際はどうなんでしょうか?
各地で税理士という職業アピールも行われています。
しかし、税理士を目指してほしいという事は、
若者の立場にとって考えると、大きなお世話かもしれません。
さてなぜ受験者が減少することが問題なのでしょうか?
自分なりに感じることを書きます。
なくてはならない職業とは
世の中になくてはならない職業ってあります。
医師や看護婦、介護職員、自衛隊、警察、教員など、なり手がいなくなったら大問題ですよね。
医師はこの高齢化時代、ますますその存在は重要です。
看護婦、介護職員は体力がある若者の力が必要ですよね。
自衛隊、警察は国の防衛機関であり、いつテロが起こるかわからない時代、
なくてはなりません。
教員についても、これからの国を支える子供達を教育する人材として、
やはりなくてはなりません。
僕は自身の就職活動において、そういった職業を全く考えませんでした。
なぜ税理士だったのか?
その選択をした自分を未だに不思議に感じます。
では税理士はなくてはならない職業でしょうか?
実は6年前に試験に合格してから、よく考えていた事です。
登録する事を留まらせた悩みでもあります。
本当は、もっと早く考えなくてはいけなかったのかもしれません。
確かに、国民の義務である納税の義務を適正に行うという見地からすれば、
重要な職業なのかもしれません。
しかし、税理士とは上記の職業とは明らかに異なった点があるように感じます。
税理士は万国共通ではない
医師や看護婦、介護職員、自衛隊(ここでは軍隊とします)、警察、教員はどこの国にもいます。
しかし、税理士は日本独特の制度といったほうが近いのかもしれません。
僕は日本独特に近い事を、この2,3年で知りました。
実に無知ですよね。
ドイツや中国、韓国でも税理士と同様の制度がありますが、
税理士という位置づけ自体は万国共通ではないようです。
よく海外旅行をしていて、自分の職業を聞かれたときに非常に困ります。
doctor、armyのように、ぴたっと来る英語がありません。
一応は、Certified Public Tax Accountantと発表されてますが、
doctorのように1語ではないんですよね。
昨年の証票授与式の時、印象に残った話があります。
「日本の中で独自に発展してきた税理士制度を維持し発展させていく。」
確かにこういった話がありました。
なり手がいなくなれば、資格制度自体が維持できなくなると改めて思います。
もちろん、60歳以上の税理士が大多数である現状、
すぐにはなくなりはしないのかもしれません。
しかしその状況は国家で例えると、出生率の低下が永遠に止まらなければ、
いずれその国家は破綻という事です。
それと同様の事かもしれません。
そこまで突っ込んだ話はあまり聞きませんが、
税理士の仕事は変革の時と耳にします。
税理士制度がなくなるとき
AIの導入により、長年大きな収益源であった記帳代行の仕事は、
いずれなくなる仕事と言われています。
そして現在、国をあげての電子化が推進されています。
現金という概念がなくなり、ヨーロッパのある国のように、
あらゆる取引が電子化され記録されるのであれば、会計士、税理士は不要なのかもしれません。
マイナンバーが浸透し一元管理が進み、商取引も電子決済が浸透したとき、
あらゆることが国に記録することができるかもしれません。
そして税理士のなり手がどんどん減少していくのであれば、
税理士不要となってしまうことが怖いです。
一応は今現在は税理士として勤務しているので、
そんな事にはならないで欲しいと感じます。
まとめ
今年も受験者減少!
という記事は雑誌でも、ネットでもよく目にします。
しかし、それに直接関係のない人からみると、だから何なんだ?くらいにしか思いません。
10年前に勤務していた事務所の所長からは、
まだそこそこ食っていける職業と言われたことを覚えています。
10年前でいろいろ変わったなあと思います。
「日本の中で独自に発展してきた税理士制度を維持し発展させていく。」
といった事は、自分の中で非常に重い一文です。
組織を盛り上げる場合、必ず若い社員の活気が必要ですよね。
その為には、既存の税理士さん1人1人の考えや力が必要だと感じます。