勤務税理士の苦悩28。ダメな事はダメと真顔で告げる勇気を抱く。

「給与振込(総合)用紙に、金額書いてこい。」

金融機関で営業をしていた時、担当先の経理から放たれた依頼。

金融機関が金額を代筆するなど、有り得ないことですね。

 

僕の返答は勿論、

「それはできません。」

そしてその後、担当を変えろとの依頼が支店に。

 

今思うと、僕の態度や言い方、虫の居所が悪かったなど、(他にもいろいろ)

あったのでしょうね、きっと。

 

でも、どんな思いがあったとしても、ダメなものはダメです。

そこでヘラヘラするのもよくありません。

理由は2つ。

1つはルールが存在するから。

そしてもう1つは、自分を守るためです。

 

 

ルールを守る倫理観

お客さんの中には、意図的にルールを破ろうとする方もいます。

税金のルールとは実に不公平で、すべての人にとって平等ではありません。

そして、人によって立場が変わると、その見解も変化します。

 

日常において、個人の強い倫理観が試される項目というと、

・輸出免税による消費税還付の必要書類

・必要経費の家事割合や家事分であるかの判定

 

・医療費の室料差額や健診費用の判定

・役員の給与や退職金

 

他には不公平だと言われる項目として、

・未婚の寡婦控除不適用

・LGBTの税の恩恵なし

・高額所得者のふるさと納税

 

などなどありますよね?ルールに従うかどうかは、本人次第です。

日本の所得税や法人税は、申告納税方式ですから。

 

しかしそれ故に、多くの事は自由に決める事はできず、

定められたルールによって、答えを導き出すしかありません。

 

時には、自分には全く恩恵がないルールばかりで、

バカバカしくなる気持ちはよくわかります。

 

勿論、自分が意図しない誤りはあります。

誰だって、「よし!間違えよう!」

なんて思わないですよね?

 

しかし、バレなければ故意にルールは少しくらいは破っていい、

というのは、強い倫理観と隣り合わせだと感じます。

 

誰しもが納税者である以上、自分なりのルールを守る意味を見出さなくては、

倫理観というものは、機能することができません。

自分を守ること

「金銭消費貸借には、絶対に自分の文字は書くな!」

銀行で新人の時、上司から強く釘を刺されたことです。(ローン申し込みを含む)

 

融資の契約書関係に漢字一文字、数字一字相違したり、足りなかったりしでも、

原則、顧客に来店してもらうか、顧客の元へ伺ってました。

 

他の金融機関や支店、今現在はどうかわかりません。

要するに、一文字でも代筆するな!という事です。

 

なぜなら、融資というと、自分でどうにかできる金額ではないため、

事が起こった時に、裁判や訴訟で自分を守るためだと言われました。

 

営業が振込用紙、出金伝票を預かった場合、ローン用紙も同様。

 

「いいじゃん、大丈夫だからそのくらいそっちで書いといてよ。」

という人もいますが、それでもダメなものはダメです。

 

悪質な人であれば、代筆させておいて、そんな契約書していない!

と証言されてしまえば、負けてしまいます。

自分では責任が取れないからですダメです。

 

会計事務所のお客さんでは、ルールを破りたい人もいるかもしれません。

特に職員が訪問した際に、イヤーな相談事をされる場合ってありますよね?

 

えー、それまずいんじゃね?ってやつです。

 

そんな時は、事実とルールと、そしてその結果を淡々と陳述しましょう。

その結果、将来起こり得る事項をしっかりと伝えます。

 

そういう時って、嫌われるのが怖いですよね?

 

担当はずされたらどうしよう。

これから気まずくなったら嫌だなあ。。

 

しゃくし定規だなあと思われたら。。。

顧問先解約されたらどうしよう。。。。

 

でもそんな時だからこそ、無表情で冷酷な眼差しでも、全く問題ないと思います。

 

社長さんだからといって、変にへりくだったり、

気が知れた担当者だからといって、ヘラヘラするのは本当に良くないです。

 

ダメなものはダメと、自分を守る為に言いましょう。

 

まとめ

お客さんから持ちかけられる嫌な相談って、ホント困りますよね?

しかも、わざと職員に相談する人もいます。

別に税理士業界に限った事ではありません。

 

明らかなにダメ!と思わる場合は、毅然としていましょう。

ダメ!って言うには、結構な勇気や度胸が必要ですよね?

でもダメな事はダメです。

勇気をもってダメ!と言いましょう。

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