勤務税理士の思案11。確定申告はできる限り納税者自身で行うほうがいい。
ここ数年、面白い事業所得、雑所得をこの時期に目にします。
サラリーマンの副業による「事業」や「雑」で、面白いというと、
推測できる人は多いかと思います。
会計事務所の確定申告の作業って、いろんな所得の種類をうかがえます。
自分のプライベートではお目にかかれないような所得、
措置法をフルに適用する譲渡などは、処理に苦労しても非常に面白みがあります。
一方で、単純な給与と医療費控除の申告も多々あります。
困難な譲渡や複雑な事業がある場合はともかくとして、
給与と医療費控除、ふるさと納税のみの場合、会計事務所へ依頼する意義はあるのでしょうか?
医療費やふるさと納税は自分で計算してみる
会計事務所へ依頼すると、税理士報酬が発生しますよね?
ボランティアではないので、当たり前ですが。。。
医療費やふるさと納税の確定申告で、報酬をいただくかどうかはボスの裁量次第です。
実際、いただいていない先もあるのでしょう。
報酬云々はさておいて、個人的には医療費、ふるさと納税のみの場合、
自分で所得税の計算をすることがおすすめです。
会計事務所に勤務していれば、その程度の申告書は、
医療費の集計さえしておけば、手書きでも10分程でスラスラ書けてしまいます。
ええ、僕でもできますよ。
一応、税理士ですから。
でも、普段それに携わらない人にとってみると、
確定申告書というものは、未知なる世界であり、何だか難しそうと感じます。
しかし先日の無料相談で何件かあったのですが、
「還付の仕組みを知りたい。」
「還付金の計算根拠を知りたい。」
といった、とても熱心な方が多い事でした。
比較的、年齢の若い方はそういう人が多かったのです。
所得税の計算体系を掴みやすい
サラーリマンの場合、還付金の計算根拠は、単純明快ですよね?
医療費や寄附金控除の額に、自分の所得税率を乗じるだけです。
100,000円の医療費控除でも、所得税率が異なれば、還付金も異なるんですよね?
そりゃ、仕組みを知らない人にとってみれば、不思議に思うのも当然です。
単純明快というものの、基本的な計算の仕組みを知る必要があります。
所得税という税金の計算根拠を、体系的、視覚的に理解するには、
医療費控除や寄附金控除は、正にもってこいの教材だと思います。
今年からスマートフォンでも、確定申告が可能です。
まだ使いずらさや、改善の余地はありますが、
来年以降、徐々に改善されていくはずです。
確定申告会場や無料相談もいいですが、
改めて自分が書いてみることも、税金を知る上では大事なことなのでしょう。
納税者が自身で申告を行えるように
今年自分の確定申告を行いました。
1月10日ごろにe-taxから行いましたが、丁度2週間後に還付を受けました。
早いですよね!1月中に還付金を受け取るなんて!
お客さんの中には、医療費の明細を非常に丁寧に作成する人も多くいます。
受診者ごとに、医療機関ごとに、日付順にそれぞれ記載し、
しっかり自分自身で学習し、医療費の明細書を作りあげる人が多くなっています。
整然と医療費の記載事項が網羅されている場合、
本当はお客さん自身で申告した方が、本人の為にもなりますよね?
そして断然、還付のスピードも速いです。
全てを会計事務所で行うのも、お客さんにとってはいいサービスかもしれません。
しかし、これだけ多くのITシステムが機能している現在です。
納税者自身で申告ができるように教授することは、
税理士事務所の役割なのだと、毎年3月は強く感じます。
まとめ
「民泊」、「個人輸出」、「せどり」、「仮想通貨」などなど、
身近な確定申告って勉強になり、同時に非常に心が躍ります。
変な言い方かもしれませんが、面白くワクワクする分野ですよね。
これらはサラリーマンの副業で行う人も多いですよね?
当初は会計事務所に頼っても、納税者自身で申告が行えるよう、
環境が整備されていく事を願います。