給付金申請関連の問い合わせで残念に感じる事
先日、2020年新規開業者の持続化給付金申請書に署名をしました。
5月に入って以降、こんな僕にでも、持続化給付金のお手伝いの問い合わせが来ます。
その殆どはお断りをしたり、先方からお断りがあったり。
中には売上計上漏れの修正申告をして、持続化給付金申請をしたい
という問い合わせも数件あり、「ほんとかよ!?」と思ったことも。。
(疎明資料をいただけないので断りました。)
このコロナウイルスによりハッキリした事の1つに、
個人やフリーランスが、自身の収入や所得を自ら進んで確定申告する事が、
どれほどの価値があり、重要であったのか発覚したと思います。
そして給付金申請の問い合わせがある度に、
何となく残念だなあと感じる事があります。
個人事業主にとって会計記帳や確定申告は重要な意義がある
1月から3月の確定申告書時、個別相談の申し込みがあった方からは、
「この程度の収入と所得であれば、確定申告書しなくていい。」
「事業をしていても、所得や納税がなければ、申告しなくていい。」
という事を、過去、税理士さんから言われたそうです。
多分そういう税理士さんもいるだろうし、
課税所得が0なら、申告不要という事は、誤りではありません。
しかし、僕が勤務した会計事務所では、
そういう教育を受けたことはありませんでした。
ええ、僕が受けた教育は、自分の収入や所得は、
必ず毎年確定申告をするという事です。
当然ですが、個人事業主やフリーランスは、会社員のように、
誰かが自分の所得を証明してはくれないからです。
例え収入がわずかであっても、課税所得が0であっても、
それを証明する事は、自分自身で行うほかないからです。
静岡から滋賀県へ引っ越して、意外にも、
「この程度の収入と所得であれば、確定申告書しなくていい。」
と言われたという声を、しばしば耳にしました。
でもそれが誤った考えである事は、今回明らかになったと思います。
今まで、記帳や確定申告という事を、僕自身、深く考えませんでした。
しかし、いざ自分の売上や所得を証明しようとしても、
申告や記帳をしていないと、当然ですが証明できないのですよね。。。
改めて、帳簿記帳や確定申告の意義の重みを感じたのですが、
一般的には、どうやらそうでもないようです。
会計記帳はしなくてもいい、必要ない
持続化給付金申請書にサインをする為に、
いくつかお願いたした資料がありました。
・対象月まで会計記帳をする事
・対象月までの残高試算表
・売掛金と売上の総勘定元帳作成
・売上請求書
・入金通帳や現金領収書
虚偽の売上でないという前提であれば、
上記の資料により、売上を客観的に把握する事ができるからです。
しかし、中には会計記帳は今は必要ではなく(記帳していない)、
売上請求書だけで判断してほしいという声も。
人により考えは異なりますが、大きな金額をいただくのであれば、
ルールに従った事をしている事が、大人としての筋なんだと思います。
会計記帳は必要ないという考えに、残念だなあと感じます。
ルールに従っていくこと
また、こんなお願いもしました。
・今後も必ず記帳をする事
・毎年必ず確定申告を行う事
僕のような大した実績もなく、ショボイ税理士がヤボな事を言うと、
叱責を食らう事などわかっています。
しかし、真面目な記帳や毎年確定申告をしていれば、
スムーズに給付金申請が行えた方もいたはずです。
だから今後も必ず記帳をする事、
毎年必ず確定申告を行う事というルールは、
やっぱりお願いしたいなあと思うところですよね。
小学生や中学生に租税教育をしておきながら、
大人はどうでもいいでは、アホな僕ですら、良心の呵責が少なからずあります。
・今後も必ず記帳をする事
・毎年必ず確定申告を行う事というと、嫌がる人が大勢です。
そんな声を聞く度に、少し残念だなあと思います。
しかし、申請書に署名をするのであれば、
税理士がこの部分を指導していくべきなんだと感じます。
もらえる!ではなくいただく事
5月の給付金申請当初から、顧問先や単発の確定申告を行った方からは、
給付金申請の問い合わせがありました。
5月初めはまだ制度自体がまだ不透明だったのですが、
結局皆さん、自分で申請をしていました。
申請書への署名も同様ですが、報酬をいただくつもりはありませんでした。
世の中がこんな状態であり、僕は嫁が稼ぐので恵まれている身である為、
まあ、携わるなら無償かなと思っていました。
しかし、世の中にはビジネスにする方も多く、
ああ、そういう方法や捉え方もあるんだなと、凄いなあと。
求めている人の助けになるのなら、有償や無償って、
そんなに重要かな?と考えるように。
ただ、「もらえます!」という軽い表現には違和感を感じます。
確かに貰えるんですよね。
持続化給付金も家賃支援給付金も、貰えるんですよね。
要件さえ当てはまれば、個人に事情に鑑みず貰えます。
もらう、もらうという表現は、こんな風に残念な表現です。
巡り巡ってその原資となるものが何なのかと鑑みると、
支給を受ける事ができるという、堅い表現の方が適切なんだと感じます。
まとめ
僕個人的には、所得税の確定申告や、日々の会計記帳って、
こんなにも重要だったのだと、この5月以降よく感じています。
今更感があり笑われてしまいますが、
申告納税方式という言葉は、大きな意義があるんですよね。
毎年確定申告会場には、還付申告ではなく、年金のみの申告や、
僅かな事業の収入の申告に来る高齢者も多いと聞きます。
納税額の多寡で、勝手に何かを判断していた自分もいましたが、
わざわざ申告に来るという行動は、その意義を理解している証拠なのですよね。
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