高齢者は情報を掴みにくい。情報弱者にならないように。
先月、父親が入院の為、いくつか市役所で手続きをしました。
両親はすでに高齢の為、バイクやバスを使って市役所へ行くのは大変。
年齢が若ければサクッと行動できますが、
70歳を超えるとなかなかそうもいきません。
今回手続きに行ったのは、
・両親の限度額認定証
・高額療養費の申請
・NHK免除
の3点です。
医療費の関係は申請が必要な事や、そもそも制度がある事自体を、
両親は知りませんでした。
知っているか、知らないかの問題ですが、
実際にそれが必要な立場の人にっては大きな問題です。
しかし、それは単に知らなかった人が悪いのでしょうか?
高齢者は情報をつかみにくい
僕も知らなかったのですが、世帯の市民税が非課税の場合、
限度額認定証は手続きが必要だったのです。
高齢なので、てっきり入院の場合の窓口負担は、
自動的に限度額までだと思っていました。
しかし、今まで両親は窓口で一旦は高額な入院費を支払うことについて、
全く疑問をもっていなかったようです。
毎月の医療費も、毎月市役所へ領収書をもっていったもよう。
わざわざバス使って市役所へ還付の手続きへ行き、
結局還付された金額が数百円の時もあったようです。
「いやいや、市役所の人もそこで限度額認定証の手続き言えよ!!」
「病院の窓口も教えろよ!」
と思ってしまいます。
病院では、そいったパンフレットなどもありませんでした。
知らない事、無知である事が悪い
なのかもしれません。
ええ、そうですよね。
なので、加給年金の支給漏れが多いのでしょう。
若い方であれば、ネットやスマホで簡単に調べられます。
でも自分が70歳前後になり、今のようにサクサク情報を獲得できるかと考えると、
自信をもってできないと言えます。
市民税非課税世帯で障害者手帳交付者が居る場合、
NHK受信料免除可能ということも、今回調べて初めて知りました。
まあ、世間では当たり前だったのかもしれませんが。
勿論、申請をしました。
医療費の件も同様ですが、そもそも制度自体を知らなければ、
基本的に調べようと思いません。
最終的に切迫して困った時に役所へ相談に行くでは、
制度が存在する意味があまりありません。
無知である事の弊害
普段仕事をしていても、判断を要する仕事は、
最終的に知っているか知らないかに尽きます。
措置法の適用についても同様ですよね。
知らなきゃそれまでです。
「役員退職金は損金経理が要件である」
「LANやルータ、プリンター、はPCと一体で償却する」
などと以前よく忠告されましたが、
そんな事は僕がこの業界に入った時以前に、すでに廃止されています。
日々行われる裁判事例の法的判断や、法令解釈も同様です。
今年の今時点の、世の中や世界の流行事も同様。
知れなければ判断や適用しようとの範疇にものぼりません。
だからこそ、日々精進するのですがそれにも限界がありますよね?
税理士業では、無料有料問わず、多くの研修があります。
有料ですがTAINSで裁判事例も閲覧でき、
国税庁では無料で裁判事例も閲覧できます。
ネット環境さえあれば。
しかし、高齢者の立場になったらどうでしょう?
ある程度アップデートされたIT機器で情報獲得は、
出来ない人の方が多いです。
それが災害につながった事も、ここ数年の事です。
まとめ
セイフティーネットとされる公的扶助、社会保険制度を詳しく知るには、
今のところ役所へ行くしかありません。
沢山の情報があふれる時代、もっとどうにか本当にそれを必要とする人に、
迅速に届かないものかと感じます。
長年議論されている事ですが、
知らせるという方法は、本当に難しい事ですね。
元気だった両親が年をとり、そして同時に自分も年をとっていく。
情報ネットワークをいかにして利用し続け、自分のものにするかと事は、
今後生きていくために必須なのかもしれません。