婚姻がもたらすインパクトは強い。平成最後の改正税法は未だ時代背景を掴まない。

先月21日、台湾で同性カップルの婚姻が閣議決定されました。

現行の民法とは異なる特別法において、同法令は規定されるようです。

財産の承継、婚姻に伴う多くの権利が認められる予定だとか。

 

司法に代表されるように、法令については、

何でも欧米や国際的なスタンダードに合わせるべきでない、

といった意見もあります。

日本は日本なのだから。。。

 

しかし、現行の法令が時代の感覚や、そこに生きる人の感覚とずれているとき、

やはり法令は、改められなくてはならないと感じます。

revision

 

時代のニーズにマッチしない法令

毎年2月終わりから3月初めにかけて、その年の税制改正本が店頭に並びます。

ええ、僕も今月3月初めに買いましたよ。

一応は税理士ですからね。

毎年すぐに購入します。

 

さて個人的に注目していた改正項目というと、「未婚の1人親の寡婦、寡夫控除」です。

シングルの親の税負担の軽減は、どこまで拡充されるか?

そして国は、世の流れにあった法令に対応するつもりであるか?

 

結局のところ、寡婦(夫)控除は、婚姻をしないと適用はできないままです。

市民税では、年収204万以下であれば、適用要件合致の下、

市民税が非課税となる改正がされましたが、所得制限し過ぎに感じます。

年収204万って!!生活できません!って状態です。

 

 

一方で、今年も面白い組織再編税制の改正があります。

組織再編税制は、グループ法人課税創設後、毎年必ず改正がありますよね?

 

29年はスクイーズアウトの創設。

30年は無対価適格要件の緩和。

 

法人の再編の促進については、国の政策の1つなのでしょう。

再編税制は、覚えきれないくらい、毎年目まぐるしく変わっていくのに、

所得税における人的な支援措置については、抜本的な改正はありません。

 

現行の寡婦(夫)控除については、形式的な要件にすぎず、

ある程度の資産背景を有する人であっても、適用することができます。

 

それでいて、本当に必要な人が適用できないというのは、

やはり時代遅れの法令に思えます。

 

互いを受け入れ合うのに反対する理由はない

台湾の同性婚の閣議決定について、こんな意図があるようです。

「異性愛であれ同性愛であれ、互いの違いを受け入れ尊重し合う。」

 

「法の下の平等」がどうかを争うよりも、

非常に説得力がある考えのように感じます。

 

この意図の解釈について、尊重し合う人達は、

当然のことながら、当事者たちだけではありません。

 

全ての人が、互いの違いを受け入れ尊重し合うのだと思います。

 

日本の職場のスローガンでは、しばしば、

・女性が活躍できる

・女性が働きやすい

・女性も頑張れる

といったものを目にしますが、女性!女性!というのは、違和感ばかりです。

 

男性でも女性でも、誰もが活躍でき、働きやすく、頑張れる世の中であるべきはずです。

平等を望むのであれば、そこに性別は関係ないはずです。

 

「互いの違いを受け入れ尊重し合う」

というのは現在の時代のニーズであり、それをわざわざ拒む必要性は思い当たりません。

 

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「婚姻」制度に捕らわれる時代ではない

日本で「互いの違いを受け入れ尊重し合う」という改正は、まだ先の話かもしれません。

それは先の税制改正からわかります。

 

寡婦(夫)控除ですら、まだ婚姻が要件となってます。

「婚姻」という制度を、社会が大きく重視していることがわかります。

 

しかし、今年初めて同性婚に関係する訴訟が起こされました。

パートナー制度の導入を新たに開始した市町村もあります。

民間保険会社や大企業の保険組合の扶養の考えも、少しずつ変わりました。

 

結婚するしない、子供を持つ持たないは、

本人や当事者同士の自由です。

どう生きていくかは、誰もが自由に選ぶ時代です。

 

人の考えやニーズは、とっくに変わった事が明らかです。

 

財産の承継、婚姻に伴う多くの権利を認める方法は、

画一的なものでなくても、柔軟でいいのだと感じます。

 

社会的な人的支援や恩恵については、

「婚姻」という制度だけに捕らわれる時代ではないはずです。

まとめ

所得税の人的控除の考えって、僕はよくわかりません。

所得などの形式要件はありますが、所得者本人の資産背景までは触れていないからです。

ふるさと納税のように、富裕層優遇だ!とは思いませんが、

実態に即したり、時代に合った改正がされることを望みます。

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