気象庁の「目視観測」も自動化の波に。それでも人の想いが機械より勝ることもある。
2月より気象庁が行う「目視観測」が自動化されるようです。
「目視観測」とは、その名の通り、人間が経験を頼りに気象観測をする事です。
自動化という事なので、人間に代わって機械が行っていくんですね。
その代わりに、災害関係に人員を割いてくようです。
確かに、機械にとって代わることが出来るのであれば、
「自動化」の方が正確で効率的なのだと感じます。
さて、税理士事務所はどうなんでしょうか。
「自動化」よりも人間が行う事に意味があるのでしょうか?
複数ある方法は自動化で試算
この時期、多くのお客さんから株式配当や譲渡の報告書が届きます。
2年前までだったら、株式の配当を申告しようか、または申告不要にしようか、
申告するなら課税方式はどうしようか、よく試算をしたものです。
もちろん、それらの申告をした場合に変化する社会保険料の試算も。
当然ですが、そんなのは人間の手で電卓をはじくことはしませんよね。
会計ソフトの入力場所の調整で、試算ができます。
国保や後期高齢者保険の試算も、市町村のHPで容易でした。
会計事務所は少なくとも20年以上、とっくに自動化がされています。
(僕が36歳なので。。)
手書きで一生懸命に、総勘定元帳作っている事はいないでしょう。
でも、それでは税理士事務所で人間が担う事って、何なんでしょう?
想いがあるもの、血が通っていないもの
中小法人に適用される特例は、毎年毎年、創設や延長が繰り返されています。
それらの創設される特例や、既存の税額控除や特別償却でも、
どれを適用するのが最も最適なのかは、「自動化」を使った方が、
人間が考えるよりも適正なんだと思います。
しかし、実際に会計事務所に11年仕事をしてると、個人でも、法人でも、
最適な方法(最も税額が安くなる方法)を採用しない方も多くいます。
人の想いが反映されたもの
そこには事業主や社長さんの想いがあるんですよね。
相続となれば言うまでもないと思います。
特例1つ、財産配分1つで税額は変わってしまいます。
例え最も節税となる遺産分割でなくても、
亡くなられた方や遺族の思いを尊重するのは当然です。
税額1つを見ても、人の想いが宿っているのだと感じます。
パレート最適というは、実際の社会ではそれほど有り得ないのかもしれません。
想いも血も通わないもの
確定申告の手書きの試算、青色決算書の手書きの試算、
この手書きをする意味は、とっくに廃れたもののはずです。
原理や原則を知るという意味合いでは、非常に重要です。
それは今でも強く思います。
しかし、税理士や会計事務所職員であれば、それは知っていて当然のことでもあります。
それ以外の理由で、永遠と手書きを継続していても、
そこに人の想いは全くなく、血が通っていないことは明らかです。
だからこそ、想いがなく、血が通わないものは、
廃れていくんだと感じます。
最適な答えよりも勝るもの
最も最適な結果を算出できたとしても、
人の想いがそこになければ、それはただの答えに過ぎないのだと思います。
もしも最適な人生選択を算出してくれるAIがあったらどうでしょう?
自分の生い立ち、経歴、これからの予定を入力したら、
その人にとって、最適な人生を算出してくれるAIです。
もしそんなAIがあったとして、僕がそれを利用したら、
僕のこれからの人生の選択は、もしかしたら最悪な選択かもしれません。
AIの診断は、
「いやいや、今の時代、公的扶助の観点から考えても断然、会社員でしょ」
かもしれません。
しかし、「最悪な選択」と算出されても、
きっと僕はその「最悪な選択」を選ぶんだと思います。
その僕の想いは、AIは読み取ってくれるんでしょうか?
まとめ
現状の会計事務所の仕事では、人の想いや意思を読み取るAIがあるとは聞きません。
少なくとも、僕はそういった機械を知りません。
自動化が当然の現在、数字に人の想いを反映させることができるのかが、
大切な事のように感じます。
人間の本意を感じ取る機械が発明されなかったとしたらですがね。