そんなに節税したいなら。。。事業も仕事もしなければいい。
今日で税理士業界に入り、ちょうど14年。
開業してからは特に、節税というフレーズを耳にするように。
動画サイトを含むwebサイト、書店の専門書コーナーでも、
節税というフレーズが人気のよう。
節税に関する相談等を受けることも。。。。
時々、節税という単語を聞くと、
「今日のコロナの感染者は。。」よりも、
即座に反吐が出るくらいの、圧倒的な鬱陶しさを感じることがあります。
傍若無人な言い方ですが、そんなに節税したいのなら、
事業をしなければいいと衷心より感じます。
トータル支出を抑制する対策
会社員から開業した現在まで、こんな僕でも、
トータル的な税金支出が少なくなる説明をすることがあります。
それが節税というかどうかわかりません。。。
翌年1月1日に婚姻届を提出するのであれば、
地方税非課税等や社会保障関係に影響がない事を確認して、
12月中に法令上の婚姻関係を結んだり。
手書きの簡易簿記ではなく、面倒であっても、
青色申告65万控除の為の記帳をするなど。
所得税が高率であることに気を病むのなら、
法人は自由が利かない事を受け入れた上で、
法人化してもいいんじゃない?
一緒に住んでいる親族の国保や高齢者保険料、年金を、
取りあえずは、一旦、自分が支払った形にしてもらうなどなど。
純然たる納税額の減少を簡単に図る方法は、定率減税が廃止されて以来、
僕がこの業界に入った14年前にもはやありませんでした。
たかだか14年の経験ですが、堅実でいい税理士さんは、
無駄使いせず、コツコツ貯金をするように薦めています。
原始的な方法が、必ずしも時代遅れとは限らないと実感できます。
平気でグレーなことをするくらいなら
生命保険に入ると節税できる。
ふるさと納税をすると節税になる。は本当か?
と、雑談の中で相談を受けることがあります。
誰でいいから親族に専従者給与を支給すればいい。
とりあえず家族を役員にして報酬を支給してしまえばいい。
などと講義を受ける方もいるようです。
それが意図する真髄を言わない方も問題ですが、
そんなことをするのであれば、
いっそのこと、仕事をしなければいいとしばしば思います。
仕事をしなければ、売上も発生しないからです。
納税は社会貢献そのもの
確定申告会場に来られる方、とりわけ農業所得者の方は、
「銭くらい毎年納めないと。。」
という言葉を本当によく口にします。
そういえば、銀行勤務していた時も、
経営者や農業従事者で高齢の方は、
税金くらい納めないと。。と口にする傾向がありました。
まだ税理士の仕事をする前でしたが、
僕はその言葉を発する眼差しが大好きでした。
みんな働いて、社会に還元するという事を知っていたからです。
当然、年の功という意味合いもあるのでしょうが、
儲けを上げなければ、税金を納める事ができないからです。
しかし、わざわざそれを口に出さない、
彼らの優しさが好きでした。
利益をあげて納税をするという行為は、レジ袋削減より
ただそれだけで、純粋な社会貢献のはずです。
(今の僕に会社員時代のような納税は、到底できない行為です。)
65万円控除の恩恵により、所得税ゼロの僕は、
過度な節税を求める方の気持ちはよくわかりません。
性格が悪い僕は、じゃあ、YouTubeを顧問税理士にしたら?
変額ドル年金保険でも加入したら?
と毒を吐く事があります。
そういえば、僕の両親も家業を営んでいた時、
まだ僕は子供でしたが、税金くらい納める所得をあげないと。
と言っていた記憶があります。
バブル崩壊後で、畳の受注が全く無かった時です。
儲けを出して納税をすることは、それだけで社会貢献。
僕が税理士をやめるまでに、そういう事業者が増えることを願います。
まとめ
今後は顧問契約や単発の決算、確定申告で、
過度な節税、ズル賢いことを促進する方とは、
絶対に仕事をしないことにしました。
銀行員の時に、「税金くらい納めないと。。」
と優しく話してくれた方を裏切るわけにはいきません。
今後は初回のその旨の確認を行う方針です。