アパート経営は大変。土地を仕切る事の意味を考えてもらう。
「貸家とアパートを解体して更地にしたい。」
先日、こんな相談を受けました。
築年数が進行した物件を有する方で、
このように考えている方は多くいると思います。
そのような希望を持っているかたは、大抵高齢の方です。
解体費用の捻出が重くなければ、どんどん不動産経営を止めて、
解体した方がいいと思います。
不動産物件の経営は、非常に大変です。
不労所得を手にすることができるも言われますが、
実際のところどうなんでしょうか?
賃貸物件はメンテナンスが大変
僕が賃貸している現在のアパートは、大手の不動産屋の仲介ですが、
賃貸物件の異常、点検、修繕がある場合、家主が直接請け負います。
先日も電気系統を直してもらいました。
その際、こんな事を聞きました。
「今はWiFiを完備しても珍しくなくなった。むしろそれが当たり前になった。
何か他に手を打たないと、他と差別化が出来ない。」
5年程前なら、WiFi完備というのは非常に魅力的でした。
ネット無料ですからね。
しかし、これだけ大手の通信会社で大容量のプランが売り出されれば、
その魅力も薄れるようです。
まして、WiFiという単語はすでに珍しいものではなく、
あって当然となりました。
賃貸物件を魅力的にするため、そしてそれには費用がかかるため、
不動産経営の費用対効果は、10年前とは明らかに異なります。
維持費が大変
銀行勤務の時、投資物件融資を経験しました。
その1つに、アパートローンがありました。
会計業界に転職してからも、不動産を持つ方は、
融資を受けてアパート経営を始めた方もいました。
当然ですが、相続税の軽減の為です。
大手と一括借上契約であれば、その維持は大手の会社が行ってくれます。
家主は不労所得を手にすることができます。
土地の価額は評価減され、債務も増える。
相続税も軽減され、よかったよかったとはいかないでしょう。
投資物件を引き継いだ方からは、あまりいい話は聞きません。
10年も経てば、大き目のリフォーム、修繕により結構な金額の出費があります。
固定資産税や償却資産税、火災保険などは、毎年の大きな出費です。
昨年、今年のような大型の台風が到来すれば、
多額の修繕は必至です。
それでも投資物件を引き継いだ方は、それを維持していく必要が。。。
10月の台風以来、ここ2カ月程、そんな声をよく聞きます。
土地を仕切ることの意味
ある程度の年齢の方は、今でも土地を仕切る事を好む人がいます。
先祖代々の土地を守りたい。
さて、その土地を仕切る事にはどんな意味があるのでしょう?
土地や貸家、集合住宅は確かに金銭を生み出します。
ただ、自分の死後、それを誰かに継いでもらおうとするのは、
時代が違うのでしょう。
「親族に土地や物件を残してあげたい。」
そういった声を聞きますが、なぜ残してあげたいのか?
先祖代々という事は、残してあげたい理由ではありません。
なぜ残したいのか?
よく考えてもらうようにしています。
僕自身も、親族で同じような事がありましたが、
個人的に、固定資産税が課されるものは要らないと思います。
まとめ
10月の台風で、多くのアパート経営をされている方は、
被害を受けたようです。
僕のアパートにも、そこからか家の破片や一部が飛んできました。
清水の海沿いでは、トタンや屋根が剥がれた家が多いようで。
相続対策という名目で投資物件を始めるのも、
もう昔のことなのかもしれません。