勤務税理士の苦悩14。なんでもこい精神の弊害。
昔ながらの会計事務所に勤務していると、
自分がしている仕事の価格が一体いくらなのかわかない事が多いです。
基本的に、ボスが引き受けた仕事は、
有無を言えず社員が行うこととなりますが。
ボスが引き受けると、一般的にそれはボスは行いません。
社員が処理しますよね。
そりゃ雇用される身なんで当然ですが。
しかし、時が経つにつれモヤモヤがつのる事があります。
さて今日は、会計事務所のなんでもこい精神について書こうと思います。
なんでもこい精神の弊害
僕が勤務した前と今の事務所は、
基本的になんでもやりましょう精神です。
顧客からの依頼に対し、ボスは引き受けてしまいます。
それ自体はボスの自由です。
きっと価格に転嫁されるのでしょう。
先に望ましい例を述べてきます。
ボスが仕事を引き受けます。
そしてボス自身が処理を行います。
ボス自身が処理を行ったので、その仕事に対してボスは把握ができています。
その後職員に依頼をしても、ボス自身が把握しているため、
検算機能が働きます。
問題は、ボス自身がその引き受けた仕事に直接タッチせず、
職員にやらせてしまう事です。
なんでもこい精神の弊害は、職員にふりかかります。
これは以前も今の職場でも、日々多くあります。
僕がボスの立場だったら、そんな事は怖くてできません。
なぜなら、その成果物に対してどうやってチェックするのでしょう?
(だから大抵チェックはしないんですがね。)
日々感じますが、自分が処理方法がわからない
把握できない仕事を、職員にやらせていいのでしょうか?
最終責任者がボスであり、引き受け窓口もボスである以上、
まずボス自身が処理を行うべきだと思います。
なんでもこい精神の中、自計化をすすめたいけれど。。
紹介により、法人の月次や決算を引く受けることがあります。
資料をもらったとき、
「この法人は自社で試算表を作れる。
自計化を進めたほうがいいのでは?」
と、強く感じる事がここ数年多くあります。
大抵の場合、顧客から預かった資料をみた段階でわかります。
「ここまで資料を作成しているなら、まず自社で試算表はつくれるだろう」
弥生会計ならせいぜい高くても8万程度です。
(オンラインならもう少し安いかな)
確かに最初は難しいかもしれません。
が、人間慣れてきます。
もう言うまでもありませんが、会計事務所に資料を渡し試算表を作成する場合、
試算表が出来上がる頃には、それはもうリアルタイムではありません。
自社で行えば、会計事務所のチェックが入ったとしても、
その時間は大幅に短縮できます。
また、初めは間違いもありますが、
それも必ず徐々に減ってきます。
大きな仕訳の誤りがない限り、
ほぼ大きな数字の狂いがない試算表がリアルタイムで作成できます。
自社で経理をし、試算表を作成した方が、
資金繰りの管理にも役立つことが出来ます。
できれば会社の経理を自立させたい。
そして、効率化ができるよう提案をしていきたい。
その方が、長い目でみて会社にとって利益があります。
と日々感じますが、それも決めるのは自分ではありません。
そういった推進をしていない事務所では、
それを言葉に出すこともはばかれます。
会計事務所から自立すべきだ
顧客が求めているのだから、なんでも引き受ける。
ということは、素晴らしい事だと思います。
しかし、ずっとそれを引き受けたままでいいのでしょうか?
それではいけないと考えた税理士さんもいたはずです。
長いスパンで考えるなら、会計事務所から自立し
会社自身で日々の業務を行っていくように
指導することの方が、会社にとって利益がありますよね。
ボスが直接携わることなく、職員が処理をしている。
おそらく、こういった体制の会計事務所では、
前述したことなど思いもしないでしょう。
本当はそれではいけなんですがね。
まとめ
ずっと会計事務所が記帳代行しているが、
果たして会社にとっていい事なのか?
年配の税理士さんは思わなかったのでしょうか?
もちろん、会計事務所の収入をいう大きなテーマがあるのですが。
多くの方がすでに意見していますが、
そこにあぐらをかいていたという意味が
よくわかります。